No.1「想い」

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わたしは二本目の煙草に火をつけて深く吸いこんだ。 沈黙が流れていく。 千里は肩に力をいれて、悲しい表情を浮かべる。 「あたし、イヤだ……」 「そうね、愛の無いセックスなんて虚しいだけよ」 体が重なり合っても、お互いの心が重なることなんて無い。 虚しいだけよ――。 「はい……、でも蓮さんは平気なんですか?」 顔を上げて、千里は目をぱちくりさせながらわたしに問う。  
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