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「ええ、仕方ありませんね。おれたちは街で待っていることにしましょう」
どう贔屓目に見ても計算づくだったとしか思えない行動をとっていたくせに、この状況がものすごく不本意であるかのような言い方をして踵を返すと、背中から追ってくる声を聞き流し、元来た道を戻っていく。振り返りもしない後ろ姿を見送って。
「おーい……」
「…………行くか」
もはや諦めきった声が促して、二人は遺跡の奥へ足を踏み出した。
間。
「たっだいま~❤」
ご機嫌な顔でまずディアスが、すぐ後ろにヒューイ。それから……。
「一行かよっっ!」
理不尽な怒り方をしているユーマとトオルが続く。
「オレ等の苦労が『間。』の一行で終わりかいっ」
「どんだけ苦労したと思ってんだよっ! ってーか話聞け、話っ!」
「聞いてますよ、ディアスの土産話を」
「じゃなくて! オレ等の話をっっ」
「必要ないだろう」
きっぱり、
一蹴。
「ひ、必要ないって」
ボロボロの二人に、とどめの一言。
「今回はコメディーだからね」
「な」
開いた口が塞がらないとはこのことで。
あまりといえばあまりな扱いに、固まってしまう。
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