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「クレイもあれ? 例の変なヤツ」
ありがとう、と席につき、コーヒーを注文してからディアスに向き直る。
「ええ、そうですよ」
「あれは全国ギルドに一斉通達だったからね」
「だからさ……」
目一杯、シカト。
「妙な仕事ではあるけれどね」
「相変わらず適当というか、胡散臭いというか」
「オレは面白そうだから来た!」
えっへん、と胸を張るディアス。それをほほえましそうに見守る、シオンとクレイ。
そして、存在をはっきりと無視された、ユーマが……。
「ねえ、気付いて、オレの存在……」
ポン、と肩を叩いたのは、買い出しから帰って来た、シオンの相棒兼恋人(パシリともいう)のトオルである。
彼はどこか悟ったような静かな笑顔で、こうのたまった。
「諦めろ。所詮オレ等はディアスに敵わねぇんだ」
「……はあぁー……」
二人は同時に、大きな大きなため息をつくのだった。
目立つ。
ヒューイはそう思った。
談笑する三人と、その脇で哀愁背負って互いを慰め会う二人。
ものすごく目立っていると思うのだが、なぜ彼等は全く意にも介さずにいられるのだろう。あれだけ視線を集めているのに。
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