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まあ、そんなことはどうでもいいし、そのおかげで思っていたよりもあっさりとディアスを見つけることができたのだから、ありがたいと思うべきなのだろう。……ありがたいとまでは、あんまり思わないが。
「ディアス」
「あ、ヒューイ❤」
大好きな人の声を聞いて、満面の笑みで振り返る。
「シオンとクレイがいたんだよ」
トオルとユーマは、やはり無視の方向らしい。
どーせオレたちなんか……といじける彼らを完璧なまでに無視して、ヒューイの腕に自分の腕を絡める。
……と、ふと足元に目をやって。
ユーマたちと、視線があう。
「…………」
「…………」
間。
「なんだよ、二人ともいたんじゃんか!」
「って、マジで気付かんかったんかい!」
ツッコミは、二人分。
「………えへー」
笑ってごまかすディアスにもう何も言う気力がなくなった二人は、お互い肩をたたき合って悲しみをまぎらわすしかないのであった。
「ダンジョン、ダンジョン、久しぶり~」
シオンとクレイの腕をとり、まさに両手に花、楽しそうに樹海を歩くディアスをおって、ヒューイが続く。更に後ろを、未だ立直れきれていない二人がのろのろとついていく。
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