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数時間後、一行はどっかの世界(以下略)にある、不思議な遺跡前に到着していた。
何が不思議って、形は教会、その前には鳥居、そして両脇には狛犬ならぬ狛スフィンクス。なんともびみょ~なカンジである。
ぐるり、と周囲を見渡したあと、イカニモ罠が仕掛けてありそうな、目の前の正面入口へと視線を戻す。どうやらやはり、ここしか入口はないらしい。いや、探せばどっかに隠し扉とかあるのだろうが、彼らは面倒……じゃなく、時間がもったいないため、正面突破を決行することとあいなったわけでありまして。
「ワーイ、ディアス君、いっちばんのりー!」
「ディアス、一人で先走るな」
二人、先行。
シオンとクレイはその場で立ち止まり、入口前で嫌そうに眉を潜めている恋人へ、極上の笑みを向ける。
「じゃ、がんばってくれ」
「期待してますから」
にっこりと。
笑顔のままで。
二人を入口内へと突き飛ばし――直後、これで締切だとでもいうように、鉄格子が降りてきた。お約束的な罠である。
「だあああっっ」
「おまえらなあっっ」
騒ぐ声も聞こえないふり。
「ああ、これは困ったね。これでは入れないよ。でも仕方ないかな」
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