心と髪

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かえでは朝から大胆だね。 これは、かえでが 去年からの女友達に 浴びせられた言葉だ。 「日本男児はシャイだから、 女からいってやんないと 駄目なのよ、 特にコイツ等は」 とかなんとか、 かえではホザいてた。 今は校長のながったらしい 話も終わり、 後は帰りのホームルームが はじまるのを待つばかりだ。 「今年も三人一緒に なれて良かったわね」 「そうですね」 「またイチから友達 作るの面倒だし、 その事には感謝だ」 それにはかねがね同意だ。 確かに面倒だと思う。 だが、新たな出会いが 無いのは、少し寂しいかな。 「……面倒? そんな事言うもんじゃ ないよ?」 「は?」 かえでは、 教室の隅の席に佇んでいて、 誰とも話さず俯き、 あからさまに図書館で 本でも読んでそうな 女子を指さして言った。 「あの子と友達に なって来よう。 一人みたいだから 可愛そうだし、可愛いし」 なる程ね。 確かに顔だけは可愛い。 だが性格は案外 腹黒だったりしてな。 「だから、行って来る」 「がんばれよー」 心のこもって無い タケルの応援に、 かえでは片腕をあげて 応えつつ、彼女の元へ 向かって行った。
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