心と髪

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予想が当たってしまった。 図書館で本を読んでそうな 女の子が、クチを開けば ヤンキーだったのだ。 名前は くるみ という らしい。顔と名前だけ 可愛くても、 しょうがないよな。 「ったくよお、 なんでテメエらの ダチなんかならなきゃ いけねえんだ。 ……まあいいけどよ」 話によると、 父親によって強制的に 髪を染められ、 そしてまた母親によって 強制的に髪をまとめられて、 そのまま学校まで 来たという。 普段は金髪との事だ。 「面倒だから されるがままに なってただけだっつーの」 「親には逆らえない所が、 また可愛いねー」 うぜえと言って、 自分の頭を撫でていた かえでの手を払うくるみ。 新しい担任の 教師が来るまで、 好きな食べ物は何だとか、 趣味は何だとか、 何の音楽が好きだとか、 俺達はくるみを 質問攻めにしていた。
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