赤ん坊と母親

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そういえば、気付いた事があった。 この赤ん坊は一体、何者で、何処からやって来たのか? 砂嵐とノイズと、光と共に私の腕の中へやって来たのだ。 でも……NPC(ノンプレイヤーキャラクター)で、そんな事が起こるのだろうか。 パソコンに被害をもたらすNPCは、聞いた事が無い。 幾らド素人でも、それは、知っている筈だ。 居たとしたら、きっと 『バグ』に違いない。 ―――…だが。 リコリスは、「それ」をした。 この子が…… いや、そんな事は無い、と思いたい処だ。 ―『バグ』なんかじゃ無いよね― だって、これは、『イベント』なんだから。 そういう風に設定されていれば、『バグ』みたいな事も可能…な筈。 リコリスは、生暖かい。 この“世界“に生きている。 私の元に来た、天使のような赤ん坊だ。 だから、信じる。 ―とことん愛してやるわよ。― 少ししゃがみ、リコリスを不安にさせないように抱いた後、頭を優しく何度も何度も撫でた。 「そろそろ、街戻りたい処だけど…リコリスどうすれば…。」 いきなり、足元から白い光のベールが全身を包んだ。 私は、何処かのエリアへ、強制的に転送された。 そこは、とても神秘的な場所だった。 草木や花が咲いている。 クマさんが、一つ二つ、三つ四つ…浮いている。 リコリスに似合う場所だと思った。image=49573633.jpg
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