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草木や花に気をつけながら、歩いて行く。
奥へ奥へ…。
少し歩いて行くと、ふと目に入るモノがあった。
リコリスがすっぽり入る百合籠だ。
淡い桃色をしている。
―此処に寝かせれば良いのかしら?―
リコリスをそっと、百合籠に寝かせる。
ゆらゆら
ゆらゆら
親指をしゃぶった可愛い赤ん坊、リコリス。
百合籠に揺られて、すやすや寝息を立てながら寝ている。
とても愛しい…。
寝ている横顔の頬にそっとキスを落とし、離れた。
「リコリス…また来るからね…?」
クマをリコリスの隣に置いた後、不思議なエリアを後にし、街に帰った。
「なんか今日はびっくりな一日だったなぁιふふ、リコリスかぁ…(*' '*)」
思い出すたび、笑みがこぼれてしまう。
子育て経験は無いが、子供は好きだ。
リアルの私は、高校生。
彼氏も好きな人も、居ない。
結構、モテる方…だと思う。ネットゲームにハマると、どぅでも良くなる、私の怠け者な性格。
告白された事は、数を数えられる程しか無い。
告白した事は、無かった。好きな人が出来た事すら無い。
どんな感じなのだろう、と興味は有るのだが、中々踏み出せ無い。
まぁ、そんな処だ。
でも、こんな感じなのだろう…と勝手に思ってみる。
リコリスと出逢って…私は少しずつ変わっていく事を予想すらしていなかった。
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