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それは勿論 結婚したてのあの夫婦の家にもやってきました
訳も分からず飛び出すと
水車小屋から煙があがっているのがみえます
「あぁ 家が、私の家が…」
悲痛な叫びがあちらこちらであがるなか
夫は妻のその震える姿と言葉に思い切りつき動かされたのです
物凄い力で揺さ振られたのを感じてしまったのです
抱きしめてから
「すぐ、戻る」
と言葉を遺して今にも崩れそうな紅蓮に包まれた小屋へ駆け込み
妻はたった一人
残されました
たった一人
阿鼻叫喚のなか
たった一人で
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