イシュタル
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ロコは、部屋の寝台の上で、じっとしていた。 この宿屋の主人が、いい人でよかった。 (…………) たしかに、ロコは、一度は死ぬことを考えたのだ。 (…………) いまでも、眼を閉じれば、その顔が、自然と浮かんでくる。 ――セレ。 さながら、祝福されるためにこの世に生まれてきたかのように、ロコとセレの二人は、出会い、そしてともに成長し、本当に自然の摂理のままに、愛しあい、生活をともにするはずであった。
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