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「吉田さんも―――
矢野が口を開いた時、ちょうど結依が来て千春に話し掛けた。
矢野に吉田から吉田さんに格下げされたのも、買い物の次の日から。結依が来てくれて嬉しいのか残念なのか、よくわからない。
「ちっはるー!!あんた1いくつあった?」
「聞いて驚け!一つしかない」
「1つも…‥じゃん」と結依は笑うが、私にとっては大きな成長の証である。
「結依は補習組?」
「ううん違う、遊び組。花火大会の日は浴衣来て遊ぶんだぁ」
(花火大会……‥かぁ、矢野と行きたい。矢野と二人で昔は行ったよなぁ)
なんて思っても、私は口に出しては言えない。結依は幸せそうに健斗と行くんだと言っている。
私は結依の親友なのに、親友なのに、その幸せそうな顔を見ていらつく自分に腹がたつ。
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