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『ねえ、志帆って今彼氏いないよね?』
そう聞いてきたのは高校時代からの友達のマユミ。
仕事帰りに居酒屋に寄り女ふたりでビールを飲む姿は淋しいものがあるが、そんなの気にしてられない。
マユミとは同じ職場で働いている。
同じと言っても、全国的に展開しているドラッグストアで、店舗は違う。
『悪かったね、彼氏いない歴1年ですが何か?』
カラになったジョッキを高く上げ、店員におかわりの合図を送りながら、マユミの質問に答えた。
『あのさ、いい人いるんだけど会ってみない?』
『アタシったら面くいだけど? 知ってるよね?』
おかわりのビールを口に運ぼうとしたアタシの腕を掴み、マユミは囁いた。
『いい男なんだって』
思わずアタシの喉が鳴った。
『会う! 会ってみる』
マユミの言う「いい男」ってホントに外れ無しなんだ。
『ちょっとさ福山雅治に似てんだよ』
『背は? 高い?』
アタシは身を乗り出してマユミに聞いた。
『180センチあるってさ』
『よっしゃー!』
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