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一進一退。までとは行かないが、一方的な展開は避けた明昭高校。
一方、相手の基本に忠実なプレーに対して、上手く対応し切れていない聖城高校。
聖城39-34明昭
強いて言うならば、慧のゲームメイクに、龍斗のゴール下付近の技術の高さが吉と出たか、第二クォーター残り五分となったところで、点差は五点となった。
しかし、聖城の不安要素は絶えないでいた。
それは――…
「行ったぞ、蓮!」
ボールを受け取り、蓮は即座にドライブして行く。これは、スモールフォワードの役割を担っているが為かもしれない。
そんな蓮は、カケルより一歩躍り出ると、力強くフロアを踏み切る。
勿論、カケルは振り切られること無く、シュートコースを塞ぐ。
一歩勝っているからか、蓮はそのままレイアップの状態から、シュートを放つ。
しかし――…ボールはネットを揺らさない。勢い余ったか、リングに弾かれてしまう。
「嘘!?」
「蓮が、イージーミス……」
…――不安要素一、それは、蓮の不調。
「くっそぉぉ!」
外れたことに苛立ちを覚えたか、無我夢中にボールを追う。
しかし、上手くポジションを取ったカケルがリバウンドを制し、攻守は入れ替わってしまう。
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