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カケルは、そんな蓮の反応に驚きの色を見せること無く、高い技術を用いてボールをキープする。
「ふぅ……」
漏れる、溜息。
息を吐いた瞬間、蓮の左側に突っ込んで行く。
それは予想以上に鋭く、バランスを崩してしまう蓮だが、何とか持ちこたえてカケルに並ぶ。
――しかし。
「なっ!?」
カケルは不意のロールで、蓮を抜き去る。
単純に考えて、スタンスの低い蓮より低い姿勢で蓮を抜こうとしたカケル。
しかし、それは蓮の類い希なるディフェンス力によって阻止されてしまった。
そして次にカケルが繰り出したのは、低い姿勢からのロール。普通ならバランスを崩してしまうところ、カケルはそれを難なくこなし、蓮を抜き去ったのだ。
『行かせっか……よ!」
それでも相手は蓮だ。只で打たせまいと、必死にコースを塞ぐ。
しかしそれが、誤動作。
「止めろ! 蓮!!」
響き渡る慧の声。その声にカケルは不適に笑い、空中で幾つかのフェイクを入れると、蓮に体をぶつけてリング上にボールを放る。
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