河村という男

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河村清三 34歳 身長164㎝ 体重76㎏と背は高くなく、しかも小太り 顔もイケメンとは程遠く頭髪も薄くなり始めていた。 学生時代はまったくもてることはなかった。 河村はもてない学生時代を勉強することで紛らわし 学力だけはドンドン上がっていった。 現在の河村はIT企業の若き社長であり地位、名誉、金を得ることができた。 現在の河村には近づく女性は少なくなかったし、中には女優もいた。 ところが 河村は過去の女性との辛い体験から 今、近づいてくる女性は自分の地位や金目当てであり 決して自分の事を愛しているとは思えなかった。 河村に近づく女性が増えれば増えるほど、女性に対する偏見は強まるばかり そんな時、舞い込んできた自分のオリジナルスーパーロボの話 人間の女なんか信用できない。 でも彼女が欲しい。 自分の事を心から愛してくれる彼女が… 最高級のスーパーロボならば、全く人間と同じはず。 決して私を裏切らない。 よし決めた。 河村は最高級のスーパーロボを購入することにした。 スーパーロボは完全オーダーメイドである。 まず基本のスーパーロボがいるそれに、自分の要望を入れていく 例えば、目を二重にとか、肌の色はこの色にとか… 外見だけではなく 声のトーンはこれくらいとか 話かけられた事に対して、必ず肯定的な返答をするとか 河村はなんど研究所に通ったことか 要望が次から次えと思い浮かんでくる。 起きている時間は殆んどスーパーロボの事を考えていた。 一年間技術者と話し合い、要望を出し続け ようやく発注した。 一つ条件を付けるごとに値段が上がっていくので 発注した時点では、莫大な金額になっていた。 河村はこのスーパーロボの資金を稼ぐために、がむしゃらに働いた。 業界人の間でも、あの若さで凄いと評判であった。 気付いたら河村の会社は業界トップクラスとなっていた。
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