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着いた場所は、殺風景なものだった。
一脚のベンチに、薄暗く点滅する自動販売機。
「今日は何を買おうかな?」
私はそういいながら、自動販売機へと手を伸ばした。
誰もいないこの場所が、私にとって一番の場所。
誰もいなくて、静寂なこの場所は、私を落ち着かせるのだ。
自動販売機の内容も、かなりのもの。
ほかに売っていないレアものもあれば、昔馴染みのポピュラーものもきちんとある。
――しかし、出会ってしまう。
「……?」
レモンジュースにしようとしていた、私の手は止まった。
右端の、一番下の段に不思議なジュースがあったからだ。
「ダーク……サワー?」
さすがにネーミングセンスが悪すぎる。
誰も飲む気になれないだろう。
しかし、人は好奇心があるもので、そのネーミングセンス悪いジュースが妙に気になった。
「一度だけ買ってみようかしら」
と、レモンジュースのボタンを押そうとしていた指は、ダーク・サワーへと滑った。
ポチッという軽い音がして、ダーク・サワーを一つ買う。
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