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私はその不可思議な物体を、まじまじと見つめた。
「ふうん? 外見は普通なんだ」
てっきり棘がついた、いがいがしたものが出てくるものだと思っていた。
が、それは普通の空き缶だ。
しかし、真っ黒なラベルの缶で、イラストすら描いていない。
あまりの気味悪さに、私は首をかしげた。
普通ならなんか書いてあるはずなのに、商品名すら書いていない。
「やっぱり飲むのをやめようかな……」
気味悪いこんなもの、飲む義務はないのだから。
そう思った私は、いささかもったいないような気もするが、ベンチにおいて帰ろうかとした。
……と、そこで側面の小さな文字が目に入った。
「こんなところに?」
私は目を凝らして、何度も内容を読み返した。
あまりにも、奇妙な内容だったからだ。
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