‐file1‐浅木 沙夜

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そしてパジャマのまま、家を飛び出した。 行き先は一つ。あの、自動販売機だ。 「空き缶……空き缶……」 私はついてすぐさま、昨日投げ捨てた、ダーク・サワーの空き缶を探した。 「あった……」 薄汚れたそれの説明文を見直す。 よくみると、昨日と同じ文章の下に、米印でさらに注意書きがあった。 “※願い事は取り消されません。十分よく考えてから、願うようにして下さい” 私は、その場にへたり込んでしまった。 空き缶を持ったまま……。
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