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改札の横にコンビニエンスストアーを見つけた。   自動改札機をでた瞬間から広がるスペースとは対象に、やけにこじんまりとした店だ。   店の中から自動ドアをとおしてみると、横の改札から正面の券売機までの間を、人の波がとどまることなく流れている。   これほどの多くの人間達を見ていると、人の命の重みさえ軽く感じられる。   これならば、きっちりと列をなして行進するアリ達のほうが随分立派といえる。   樋山聡一は店内の商品を閲覧しながら、そんなことを考えていた。
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