前置詞

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【up】 【out】と同じく厳密には副詞の部類ですが、前置詞としての用法も無きにしもあらずですので、この際紹介しておきますね。     【up】 (何か基準より)上に     皆さんが知っている意味と似ているのではないですか?しかし、そこには「基準」というものはありますか? とりあえず例文を     Japan is three goals up.   日本が3点リードしています。     野球やサッカーの試合で、実況がよく使う表現です。もう一度言いますと、【up】を使うには基本的には「基準」が必要です。 ここでは、基準にされているのは相手チームの点数です。それよりも3点分高いところに日本の点数がある、つまりは3点リードしている、という解釈になる訳です。   また、一般的な動作の完了具合を基準にすると、【up】から「しっかりと」くらいの意味合いが生まれます。 例えば【Drink it up.】と言えば、まず「何かを飲む」事に基準を置きます。ただ「飲む」と言えば、一口でも喉を通せば立派な「飲む」という行為です。その基準よりも高い所、つまり「一口」よりも上を行く飲み方、と言う事で「飲み干す」と言う感じになります。   また、野球等で「クリーンナップ」という言葉を耳にした事は無いでしょうか。これは「三番から五番までの打者」、又は「四番打者」を指します。英語で書くと【clean up】です。 三番から五番、特に四番打者にはいわゆる「ホームランバッター」がよく起用されます。野球が好きな方には分かると思いますが、野球では一、二番は塁に出る為に足の早い打者である事が多いです。そして、彼らが塁に出た所で「クリーンナップ」の出番になります。一発ホームランを打てば、打者を含めて塁に出ている走者をホームに帰す事ができます。すると、どのベースにも走者はいなくなります。 どのベースにも走者がいない状態にする事を【clean】(綺麗にする)とするなら、一人ずつではなく、一打で一人残らず走者をホームに帰す事ができる彼らは、まさに【clean up】と呼ぶに相応しくないですか?野球では、ヒットや犠牲フライで一人ずつ走者を帰す事が「基準」な訳ですから、それより上を行く走者の帰し方といえばホームランになりますね。   少し話が逸れましたが…【up】のイメージはこんな感じです。
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