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「ここにおったか」
レンは学園長に話し掛けられた
しかしレンの表情に変化はなく、昨日から暗いままだった
「…君は私が稽古をつける。
いいかね?」
「………はい」
レンの重い返事に表情を曇らせる学園長
「昨日のことはカムイ君から聞いた。
君が一番頑張らなくてはいけないんだ。
…いつまでも落ち込んでいる場合ではないぞ?」
「…そうですよね。
…頑張ります…」
「うむ」
まだ暗さの抜けきらないレン、魔族への憎しみ、そして悲しみは誰よりあるだろう
それがこれから始まる特訓の日々にプラスになると学園長は思っていた
「これからの特訓場所は闘技場だ。
先に行っててくれたまえ」
「わかりました」
レンは闘技場に向かって歩き出した
しばらくしてレンが闘技場に到着すると、中には見慣れない人物がいた
中年と見受けられる男性の身長は190cm程あり、灰色の髪は短めに切られ、顎には髪と同じ灰色の髭を伸ばし、ガッシリした体格で褐色の肌に赤い瞳
どこかで見たような外見だがレンは首を傾げて近付いていった
「ん?
君はラルフが担当する生徒か?」
男性の質問にレンは頷く
ちなみにラルフとは学園長の名前だ
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