パリ観察

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俺は一人、僕様の荷物を持って立ちすくんでいた。 「どうしようか」 なんて冷静に言ってみる。 「そういえば葵は先にホテルにチェックインするとか言ってたな……」 そう呟いて回りを見渡す。 そんな時に元に近づく人影があった。 「日本人さん!?」 「へ?」 突然俺の手をとり、ブンブンと握手する女の子。 みるかぎり日本人。 「……だれ?」 「玖留枝眞季(くるえまき)だ!なんで知らない!」 「……」 なぜって言われても…… 「玖留枝さん、あのさ」 「眞季と呼んでいいぞ」 「じゃあ眞季ちゃんさ。君はどうしたの?」 「私は友人とはぐれたのだ!?助けてくれー」 ベタベタと触ってくる眞季ちゃん。 困った。 両手には葵の荷物があるしこの娘はやたらベタベタしてくる。 無茶苦茶恥ずかしい。 助けてくれ、葵。
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