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「こんな感じだと思うよ」
僕様はフウタになりきって状況を予想してみせた。
「その眞季ちゃんが恐ろしい程人懐っこいっていうならこんな感じだろうね。フウタってやつは人を引き寄せるから」
ここであえて変な人と言わなかったのは殴られる心配があったから。
この蒼ちゃんはムカついたらしっかり殴る人だろうと簡単に推測できるから自重だ。
いくら僕様でも殴られたくはない。
というより死んでも嫌だ。
「それにしても奇遇だよな。同じホテルだなんて」
「偶然だろうけど面白い偶然だね」
そんな訳だから行動を共にしている。
とりあえずは人が避けてる場所を探せばいい。
確実にその場所に探し人はいるのだから。
フウタを見つけたらホテルにチェックインしてそれからタクシーを使って名所でも見て回ろう。
真ちゃんの知り合いとは明日の昼に僕様達が泊まるホテルで会う約束をしているから時間はある。
僕様はこうやって外にはあまり出ないから色々と見ておきたいのだ。
エッフェル塔とか凱旋門とか。
それにノートルダム大聖堂とかも行ってみたい。
「お?居た」
「?」
蒼ちゃんの言葉に顔をあげて見れば確かに居た。
女の子に抱き着かれて困っているフウタが。
全く期待を裏切らなくて嬉しくなってくるよ。
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