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「葵達ってどのくらい滞在する予定?」
蒼ちゃんが腹筋三十回をしながら問いかけてきた。
「三日後には帰るよ」
「じゃあ私達とは違うんだ。残念だな」
「眞季達は二日後なのだよ」
ケタケタと笑いながら眞季ちゃんは蒼ちゃんの妨害を始める。
「わっ!こら眞季!おヘソはやめて!くすぐったい!」
「ホレホレ~。いいおヘソしてますなー」
なんて感じでじゃれあっている。
「なあ葵」
「何かなフウタ」
「明日会う予定の人ってどんな人かな?」
「さあ?どうせろくでもない人だと思うよ」
「ろくでもないって……失礼だろ」
「あの真ちゃんの知り合いなのだろう?普通の人って言った方が失礼にあたると言うものだよ」
「それは言えてるな」
フウタはハハハと笑う。
「話が変わるけど外国って凄いよな。フランス料理も美味いし景色は綺麗だし」
「だろうね。でも観光目的なら海を挟んだ向こう側のイギリスの方が楽しめる。ストーンヘンジ、かの推理小説で有名なシャーロック・ホームズ博物館があるくらいだからね。娯楽性なら向こうの方が高い」
「へぇ……イギリス料理も食べてみたいな」
何か想像するように宙を仰ぐフウタ。
「イギリスは固定された風土料理は無いらしいよ」
「マジ?」
「ああ、日本と地形的にも島国という共通点があるからね。だから他文化にバリバリ影響されるし、色んな文化が入ってくるのだよ。日本と同じでイギリスでも多方面の料理が楽しめる。最近では日本料理が人気らしいが」
「あ~……何となく分かった」
一人納得するフウタ。
「この旅行を機に料理のバリエーションが増えることを願うよ」
「まかせとけ。フランス料理をマスターしてやるよ」
フウタは料理同好会がどうとか言っていたが聞こえなかったふりをしておこう。
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