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「突き詰めて簡単に言ってしまえばフウタは強制的に連れて来られたと言った方が早いね」
目を覚まし、うろたえているフウタにそんな事を言ってみると青ざめた顔で窓の外の光景を見ていた。
「また……また真さんか……」
ふむ、理解が早いな。
「その通りだよ。真ちゃんが君を気絶させて、それから飛行機に乗せた所存だ」
「なんの為に?」
諦めたのか間髪入れず聞き返してくる。
こういう時のフウタは話やすくてこっちも助かる。
「知り合いに渡して欲しい物があるらしい。その当人の真ちゃんはその渡したい人が苦手だから代わりに行ってこい、だってさ」
頭を押さえて目をつぶっているフウタ。
「まあいい。その要件についてはいい。まず初めに聞かないといけない事もあった」
フウタは深呼吸をして尋ねてくる。
「向かう場所は?」
「フランスさね」
「!?」
おお!落ち込んでいる。
目に見えるくらい表情に出るから面白いったらありゃしない。
「マジかよ……」
「落ち込むのはいいとしてどうだい?」
トランプでもしないかい?」
そう言って僕様はトランプを取り出した。
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