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フウタに奢らせたグレープフルーツジュースを飲みながら機内を見渡す。
やはり外人率が高い。
故郷に帰っている人がほとんどだろう。
僕様は英語が話せるからいいがフウタは無理みたいだ。
そこそこ英語はできるらしいが所詮は筆記。生活に使わないからどうしてもしどろもどろになる。
その証拠にさっきフライトアテンダントに話しかけられた時なんかは大爆笑ものだった。
暇しないな、本当。
「なんか不安だな、今から日本語が通じない場所に行くっていうのも」
「そうかい?僕様はどうってことないけど?」
「それは嫌味で言ってるのか?」
フウタは目を細める。
「さあ、どうだかね。でも仮にはぐれてしまったことを考えてみると楽しかったりもすると思うのだが?」
「お前だけな!?」
「フウタ、静かにしたまえよ。乗客の迷惑になる」
「ぐ……」
フウタは悔しそうに口を閉じた。
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