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「結界を破壊したのはお前達じゃないにしても、後をつけてきたのは事実なんだろ?
だから、その報いだと思え」
「うっ……言い返せないのが悔しいかも……」
ガルディアの言葉にうなだれるリオナ。それと同時にライルもうなだれ始める。
すると、しばらくそんな二人を見ていたフレイは、やがて申し訳なさそうな表情で口を開いた。
「あの……二人共、ごめん。
俺の心配をしてくれたのに、こんな事になってさ……」
言い終わると表情を沈めるフレイ。
それに対して、リオナとライルは下げていた頭を勢いよく上げた。
「な、何言ってんのよ! フレイのせいじゃないわよ?
うん、全然大丈夫だからっ!」
「そうだぜ!? 気にしなくていいっての!
……あ! ってかよくよく考えたら、授業サボれてるじゃん!」
……勢いよく弁解する二人。
対してフレイは、気遣ってくれた二人に御礼を言うため口を開こうとするが、その前にガルディアが口を開いた。
「ライル、一つ言っておくが……授業はちゃんとやるぞ?
この移動時間を使ってな」
「……え? マジで?」
「マジだ」
……ガルディアの言葉を聞いたライルは、再びうなだれ始める。
その様子を見ていたリオナはため息をつき、フレイは苦笑した。
そんな状況が少し続くも、着々と歩みを進めていく五人。
しばらくすると何かに気づいたらしく、リオナがクラウドの方を見ながら口を開いた。
「クラウド、あんたさっきからずっと黙ってるけど……どうしたの? もしかして、自分がやったことを反省してるとか?
もしそうだとしたなら止めてよね。なんか気持ち悪いから」
「…………」
明らかな嫌味を含めた言葉を放つリオナだったが、クラウドは未だに腕組みをしたまま俯き、ひたすら押し黙っている。
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