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「……あんた、本当にどうしたの? 具合でも悪いとか?」
「…………」
返答がないことに不安のようなものを感じたのか、心配した様子でクラウドにそう聞くリオナ。
……しかし、やはりクラウドからの返事はない。
「リオナ、どうかしたのか?」
そんなリオナとクラウドのやりとりに気づいたらしく、振り向きながら問い掛けるガルディア。
それと同時に、フレイとライルもリオナとクラウドの方を見る。
「はい……さっきからクラウドに話しかけてるんですけど、ずっと黙ったままで……」
「何? ……全員一度止まれ」
ガルディアがそう言うと、フレイ、リオナ、ライルは歩みを止めた。
……しかしクラウドは歩みを止めることなく、そのまま一人で進んでいく。
「ク、クラウド…?」
「一体どうしちゃったのよ……」
未だに歩き続けているクラウドを見たフレイとリオナは、心配した様子で呟く。
そんな中、ライルは一人怒った様子でクラウドへ向かって走り出した。
「おい、ライル!」
ライルを引き止めようとガルディアは声をかけるが、聞こえていないかのようにクラウドに近寄っていくライル。
……やがてライルはクラウドの肩を掴んでクラウドを無理やり引き止めた。
そして次に前に回り込み、未だ俯いたままのクラウドの両肩を掴んで口を開く。
「おいッ! お前一体どうしたっ……んだ……」
クラウドの肩を揺らして怒鳴るライルだったが、途中でそれが止まり、何故か口をポカンと開けてクラウドを見つめ始めた。
不思議に思ったガルディア、フレイ、リオナは、すぐさま原因を確かめるためにライルとクラウドへ走り寄っていく。
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