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「ライル、何でそんな力の抜けた表情を……」
やがてライルとクラウドのそばで立ち止まった三人。その内のガルディアが、怪訝そうにライルに問い掛ける。
すると、ライルはクラウドに向けていた視線をゆっくりガルディアへと移し、ゆっくりと口を開いた。
「……こいつ…………寝てます」
「……は?」
……ライルの言葉を聞くなり、意味が分からないといった様子でクラウドを見るガルディア。一方、フレイとリオナは唖然としている。
「ライル……寝てるっていうのは……?」
「いや……そのまんまの意味っス。いびきはかいてないっスけど……明らかに寝てます」
ガルディアに聞かれたライルはそう答えると、クラウドをガルディアの方へ向けさせて、自分の手を使ってクラウドの頭を上げさせた。
「…………」
ガルディアは顔を引きつらせた。
何故ならライルの言うとおり、クラウドが目を瞑って口を半開きにさせ、不規則にも寝息をたてていたからだ。
「……ク、クラウド、本当に寝てるの?」
一応確認をとるため、フレイは声をかけてみる。
しかし、クラウドはただ寝息をたてるばかりで答えようとしない。
「こいつ、どんなスキル持ってんのよ…。
無駄に凄いわね……いらないけど」
「あ、あはは…はは……」
呆れ顔で言うリオナ。そんなリオナの言葉に、フレイはただただ苦笑していた。
……するとその時、寝息をたてていたクラウドが途端に顔をしかめ、口をもごもごさせ始める。
「……うう…う……」
「……うなされてるみたいね。
いい気味だわ」
そんなクラウドを見たリオナはため息をつき、クラウドを起こすために近寄っていく……ちょうどその時だった。
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