真実 ~前編~

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「暴力女が……暴力女が襲って……ぐっ……」 「…………」 ……苦しそうに寝言を言うクラウド。 それを聞いたリオナは、クラウドの肩を掴もうとした寸前でピタリと止まった。 「……くっ……プフッ……!」 同じく寝言を聞いていたライルは口に手を当て、リオナから視線を逸らして必死に笑いを堪えている。 ……やがて、場の危険を察知したらしく、様子を見ていたフレイとガルディアは、顔を引きつらせながら後ずさりし始めた。 「ライル~……ゆっくり死にたい? それとも手っ取り早く死にたい?」 「へ?……ちょっ、ちょっと待て! 俺は何にも言ってないだろ? 怒りの矛先が間違ってるってっ!」 「だって……あんた今笑ったじゃない」 「そんな理不尽な理由で!?」 ライルの方を向いてニコニコしながら言うリオナ。 それを見たライルは一瞬にして青ざめ、あたふたし始めた。 「リ、リオナ……とりあえず落ち着こうよ! ほら、今は依頼の最中なんだし……ね?」 そんな状況をマズいと思ったらしく、暴走しかかっているリオナの目の前まで行き、ライルを庇うフレイ。 すると、リオナは少しポカンとした後にムスッとした表情を浮かべ、次に腕組みをしながら空を見上げる。 それから間もなくしてため息をつくと、クラウドの方を向いた。 「まあ……それもそうね。 こんな呑気なことしてる場合じゃないわよ……ねッ!!」 「……ッ!!!」 ……そしてそう言いながら、クラウドの頭を思いっ切り殴る。 殴られたクラウドはその場でしゃがみ込み、震えながら頭を両手で抑えた。
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