真実 ~前編~

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「さて……それじゃあ、本題の復習に移る。 まずは『魔力の源について』を……フレイ、説明してみてくれ」 しばらくして雰囲気が落ち着いたところで、ガルディアはフレイを指摘した。 指摘されたフレイは返事をすると共に頷くと、口を開いて説明を始める……。 「魔力の源とは、その文字通り……魔力を作る『ルーツ』のことです。 『ルーツ』とは、世界中全ての生物が持っている重要な臓器……人間でいう『心臓』のことで、血液循環の役割と共に魔力を作る役割も持っています。 ちなみに魔力量というのは、『ルーツ』で作られた魔力を体全体にどれだけ蓄蔵できるかという基本的な量のこと。 これは生物それぞれ、人それぞれ違っていて、少ししか蓄蔵できない者もいれば多大に蓄蔵できる者もいます。 そして魔力量は、鍛錬を積んでいくことで増大させることができます」 「ふむ……高等部から入学してきたとはいえ、ちゃんと分かってるみたいだな」 フレイがある程度説明を終えると、感心した様子で笑みを浮かべるガルディア。 再び説明するために口を開こうとしていたフレイは、それを聞くと口を閉じ、照れた様子で頭をポリポリと掻いた。 「はい質問! 魔力量とか魔力って、スッカラカンに無くなるとどうなるんだ?」 ……そんな中、意気揚々と手を挙げて問うライル。 それを見たガルディアとフレイは唖然として、リオナは哀れみの眼差しで、クラウドは鼻で一息に笑う。 「……な、何だよ。 俺、そんなに変なこと聞いたか?」 「いや……全然変じゃないわよ? むしろ普通っていうか、超基本っていうか、知らない方がおかしいっていうか、あんたやっぱりバカっていうか……」 不思議そうにするライルに対し、ため息混じりに言葉を並べていくリオナ。 ムッとしたらしく、物申そうとするライルだったが……その前に、クラウドが何かを思いついたらしい。 何かを企んだような笑みを浮かべて口を開いた。
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