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「そうだな……そんなに知りたいんなら自分で試してみろよ。
分かりやすくていいだろ?」
「……ああ、なるほど。言われてみれば」
ニヤニヤしたクラウドの言葉を聞くなり、ライルは納得した表情で頷く。
そしてすぐにワクワクした様子で立ち止まると、どうやら魔法を使うらしく腕捲りをし始めた。
「ラ、ライル、さすがにそれは……」
そんなライルを立ち止まって見始めた四人の内、フレイが焦った様子で止めに入る。
「へ? 何でだよ?」
「いや……何でって……」
行動を一時中断して、不思議そうにフレイに問い掛けるライル。
それに対してフレイは苦笑すると、振り返ってガルディアを見る。
すると、フレイの行動の意味を察したらしく……ガルディアは一度ため息をつき、呆れた様子でライルを見ながら口を開いた。
「……いいか? ライル。
これは魔力を持つ者全てに共通することだが、『ルーツ』から魔力が作られる前に魔力を使い切ってしまうと、『ルーツ』はその機能を停止してしまう……動かなくなるんだ」
「……?」
ガルディアの説明を聞いたライルは理解ができないらしく、怪訝な表情で首を傾げる。
そんなライルを見て、今度はリオナがやれやれといった様子で口を開いた。
「つまり簡単に言うとね……死ぬってことよ」
「……ああ、死ぬってこと……って、ええぇえぇぇぇッッ!!!?」
……リオナの言葉に驚きを隠せないライル。
その反応を見て様々な反応を見せる一同だったが、クラウドは一人、腹を抱えて大爆笑していた。
「こ、こいつっ……本当にバカだぜ……っ!! アハハハハッ!!
いっ…いくらなんでも……そんな常識くれぇ分かるだろ!
アッハハハハハ!!!」
「テメっ……こ、この野郎ぉ!!
俺を殺す気だったのかよぉっ!!」
クラウドに対し、怒りの表情を浮かべて牙を向けるライル。
その目尻には若干涙が貯まっている……。
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