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「魔法を発動させるのに必要な要素は、大きく分けると三つあります。
『イメージ』、『魔力』、そして『詠唱』。
魔法を使うまで順を追って説明すると……まずはどんな形の魔法を使うかなどを脳内で『イメージ』します。
次に体内の『魔力』を、自分が今から使う魔法に見合った量だけ練り上げます。
ちなみにこの時、練り上げる量を小くすれば威力や効果が小さくなり、逆に大きくすれば質の高い威力や効果を得ることができます。
……そして最後に『詠唱』を行い、魔法を完全に具現化する。
簡易ですけど、以上が『魔法の発動方法』です」
フレイと同じように、淡々と説明していくリオナ。
それを聞いていたガルディアは、説明が終わった後にゆっくりと頷き、満足気な笑みを浮かべた。
「……なあ、もっと詳しく説明できないのか?
簡単にじゃなくてさ……」
そんな中、同じく説明を聞いていたライルは、頭を抑えつつ不満そうに言った。
いつもならここでライルを馬鹿にするのだが……リオナは困ったような表情を浮かべ、ライルを見ながら口を開く。
「そうしたいのは山々なんだけど……それができないのよ。
魔法っていう物は、そもそも小難しいこととか一切無くて、ほとんど『感覚』で使ってる物なんだから。
使いたい魔法をイメージして、魔力を込めて、それで詠唱する……それだけよ」
肩をすくめ、ため息混じりでライルに言うリオナ。
説明を聞いたライルは、キョトンとした様子でリオナを見据える。
すると、その光景を見ていたガルディアは苦笑し、間もなくして口を開いた。
「はははっ、驚くのも無理はないな。
……けど魔法っていうのは、驚くほど簡単なのと共に驚くほど奥が深いんだ。
実は、必ずしも発動の順序を守らなければいけないという訳でもない。
『術』などは本来、決められた詠唱を覚えて使う物なんだが……自分自身で詠唱や魔力の練り方を考えて、オリジナルの魔法なども作ることもできる。これは相当難しいがな……。
……とまあ、こんな感じだな。要は『感覚』を掴めってことだ」
「へぇー……そんなもんなのか?」
ライルはガルディアの言葉を聞き終えると、自分の両手を不思議そうに、握ったり開いたりし始める。
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