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「先生……頼むから授業だけは勘弁してくれ。一気に知識を詰め込み過ぎて、頭の中が訳わかんねぇことになってんだよ」
すがるように手を合わせて頼み込むライル。
ガルディアはそんなライルを見て仕方なさそうにため息をつき、片手で頭をワシャワシャと掻いた。
「全くお前は……中等部の時の学園生活が見て取れるな。
まあ安心しろ、授業をするつもりは……」
……と、ここでガルディアの歩みと動きがピタリと止まる。
それと同時に、ライル以外の三人も歩みを止めた。
「へ? なんでみんな立ち止まって…」
「シッ! 少し黙ってなさい……」
少し遅れて立ち止まり、不思議そうに問い掛けるライルだったが、それはリオナの潜めた声によって遮られた。
怪訝に思ったライルは四人の表情を順に見てみる。
すると、四人共真剣な顔つきをして目だけで周りを確認している。
「……先生」
少しすると、ガルディアの方を見ながら呼び掛けるリオナ。
するとガルディアはゆっくりと頷き、静かに口を開いた。
「ギルドの調査結果では、この辺りは安全区域に指定されているはずなんだが……何故魔物が……」
「えっ……ま、魔物?」
ガルディアの言葉に驚愕を隠せない様子のライル。
自分でも確認したいらしく、キョロキョロと周りを見渡し始めた。
しかし……所々にある林の木々や茂みにも、視力で確認できる発見は何もない。
「一、二、三……六体だね。けど、全部下位レベルだ」
「へっ、やっぱこういうサプライズがなきゃな……」
落ち着いた様子で呟き、そして身構えるフレイ。
それに呼応するように、不敵な笑みを浮かべて身構えるクラウド。
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