真実 ~前編~

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そして片手をグッと広げ、手の平に魔力を集中させていく……。 「“スパーク・ブラスト”!!」 魔法の名称と共にクラウドの手の平に出現したのは、黄色く光る一メートルもない大きさの球体。 それをすぐに迫り来る水球へと投げつけた。 すると、一瞬にして水球へと直撃したかと思うと、それから凄まじい雷音と共に光が辺り一面を包み込む。 その眩しさからか、ゴブリンは思わず片腕で両目を塞いだ。 ……それからしばらくして恐る恐る片手を降ろすと、既に光が収まっていることを確認する。 そして、それと同時にゴブリンが確認したのは、薙ぎ倒した木々とその周りに立ち並んでいる林の木々だけだった。 クラウドは何処へいったのか……怪訝に思ったゴブリンは、周りを見渡して警戒しながら一歩を踏み締める。 ……その瞬間。 「“発動”」 ゴブリンの後ろから聞こえたクラウドの声。 ゴブリンはすぐさま振り向き、見渡して探し始める。 しかし、それと同時にゴブリンの足元に広がった、黄色に光る魔法陣……。 「遅いっての」 足元の魔法陣に戸惑うゴブリンは、途端に声のした方を向く。 すると、そこには太い木の枝の上に立っているクラウドの姿。 ……それから何をするわけでもなく、ゴブリンは魔法陣から放たれた雷の柱の中に消えていった。 「……はぁ、魔法二発も使っちまうなんてよ。 次からは一撃で決めるか……」 やがて雷の柱も消え、クラウドは上を向きながらため息をつくと、次の標的を見つけるために動き出した。
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