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ちょうどその頃、フレイは同時に二体のゴブリンと対峙していた。
フレイが身構えている数十メートル離れた場所に、二体のゴブリンが並んで身構えている。
(どうするかな……。ただ爆発を起こすフレイムバーンじゃ、周りの自然にも被害が及ぶ。
となれば……やっぱりアレでいくしかないか)
心の中で決心をしたフレイは、すぐさまゴブリンへと走り出した。
そして片手に魔力を強く集中させると、それを維持した状態で二体のゴブリンを見据える。
対して二体のゴブリンは、それぞれ同じように両手を広げ、ブツブツと小さく詠唱をし始めた。
やがて同時に詠唱を終えると、一体は黄色く光る一メートル程の球体を出現させ、一体は両手を合わせたままフレイを睨みつける。
(雷属性と……地属性……?
何で火属性魔法しか使えないゴブリンが……)
フレイが怪訝に思いながら徐々に距離を縮めていく中、ゴブリンはそれぞれ魔法を放った。
一体は球体をフレイへと放ち、そしてもう一体は地面に手をつく。
すると、その地面から有数の大きな石針がフレイに向かって次々と出現していく。
「しかもこれは中級魔法……どうなってるんだ?」
ゴブリンらが使う魔法に疑問を抱く中、フレイは迫り来る魔法を難なく回避していく。
そんなフレイを見たゴブリン達は、またもや両手を広げてブツブツと詠唱をし始めた。
しかし、それは間もなく無に終わる。
「“ディオ・フレイム”」
詠唱中のゴブリンらが見たもの……それは魔法を全て避けきり、自分らの眼前に立って片手を横に振り切ったフレイ。
そして、それによって間もなく自身の視界を奪った……純白の焔。
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