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「……ここ、何処だ?」
「え?」
クラウドの言葉を聞いたフレイは、その言葉の意味を脳内で理解するなり周囲をゆっくりと見渡す。
そして一通り見渡した後、再びクラウドの方を向いて押し黙った。
「…………」
「…………」
無表情でフレイを見るクラウドと、冷や汗をだらだら流し始めたフレイ。
そんな二人の間に、寂しくも虚しい風が吹き通った……。
……一方その頃、ゴブリンを一体撃破したガルディア達は、一度フレイとクラウドを探すため、今まさに魔力探知しようと精神を集中させているところだった。
「……何故だ? 魔力を探知できないなんて……」
少しして閉じていた目を開け、怪訝そうに言うガルディア。
「探知できないって……どういうことですか?」
そんなガルディアの言葉に対し、不安気に聞くリオナ。
そしてライルは、意味が分からないといった様子で首を傾げる。
すると、ガルディアは深刻な顔つきで顎に手を当ててゆっくりと口を開いた。
「ああ……フレイとクラウドの魔力を探知しようとしたんだが、全く何も感じないんだよ。
あいつらの魔力が分からない程小さいってわけでもないし……」
「そ、それって……!」
ガルディアの言ったことに不安と驚きを隠せないリオナ。
そんな中、ライルはやはり意味が分からないといった様子で口を開いた。
「なあ、魔力探知ってどういう…」
「ライル、ちょっと黙ってて!!」
魔力探知の説明を求めようとしたライルの言葉を、リオナは声を張り上げて遮る。
突然のことに驚いたライルは、ガルディアを見て口を開こうとしているリオナをただ凝視した。
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