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「……もし仮にそうだとしたら、どうなるの?」
ここで閉じていた口を開き、クラウドをジッと見たまま問いかけるフレイ。
それに対して、クラウドは一息に鼻で笑って目を閉じる。
「あんな質の高い魔法……高等部から入学してきた新入生が放つ物じゃねぇ。
……熟練された遣り手の使うそれだ」
クラウドの言葉に、フレイは少しだけ俯く。
しかし、少ししてすぐに顔を上げると、笑顔で口を開いた。
「凄い洞察力だね……とても高等部一年とは思えないよ」
「それはお互い様だろ。
……で、お前は何者なんだ?」
フレイの言葉に対し、クラウドは目を開いて同じ質問をする。
するとフレイは笑顔のままゆっくり首を横に振り、再びクラウドを見据えた。
「……残念だけど、俺はクラウドの考えてるような奴じゃないよ。
まあちょっとは魔法に自信があるけどね」
そしてそう言うと、歩き出してクラウドの横を通り過ぎた。
それを見たクラウドは、眉をピクリと動かした後……勢いよく振り向いてフレイを睨む。
「まだシラを切るつもりかよッ!
いい加減ッ……」
……勢いよく怒鳴るクラウドだったが、途中でそれを止めると、とっさに身構えて周囲を警戒し始める。
それとほぼ同時に、フレイも身構えて周りを見渡し始めた。
「クラウド」
「ああ、魔力を感じなかったのに突然……それもデケェのが二つ。
一体これは……」
お互いにコンタクトを取り合い、二人は背を向けあって精神を研ぎ澄ませる。
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