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「……何だ? 突然魔力が……」
しばらく魔力探知を続けていたガルディアも気づいたらしく、怪訝そうにポツリと呟いた。
その呟きが聞こえたらしく、リオナはライルを殴っていた手を止めて、不思議そうにガルディアを見る。
「先生、魔力を探知できたんですか?」
「ああ……だがこの禍々しい感じ、少なくともあいつらの魔力じゃあないな……。
俺はこの魔力を辿って持ち主を探してくるから、リオナとライルはここで待っていてくれ」
リオナの問いにそう答えると、ガルディアは走り出そうと足に力を入れた。
「ちょっと待ってください!」
……しかし、リオナが突然引き止めたことにより踏みとどまる。
「私も一緒に行きます!
誰なのか気になるし……それにバラバラになるよりは、固まって行動した方がいいと思いますし!」
「お、俺も……そう思う」
……ガルディアは視線をリオナとライルへ向ける。
するとそこには、真剣な表情で自分を見ているリオナ。
そして、その後ろで腫れた顔を両手で抑え、涙を浮かべているライル……。
ライルに対して少し顔を引きつらせたガルディアだったが、ため息をついた後にリオナを見ると口を開いた。
「……まあ確かにそれもそうだな。
急ぎたいから少し走るが……しっかりとついてこいよ?」
多少納得がいかない様子だったが、ガルディアはそう言って林の中へと走り出す。
それにリオナも続いて、少し遅れてライルも走り出した。
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