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「……うちの生徒に何か用か?」
間もなくして、ガルディアは声に凄みを利かせて女に問いかけた。
すると、女は無表情のままため息をついて口を開く。
「邪魔しないでくれる?
あたしはあんたの後ろに居る神聖の焔に用があるの」
「……神聖の焔……?」
女の発した言葉を聞いた途端、リオナは怪訝そうな表情を浮かべる。
……そしてその意味をようやく理解した後、驚愕した様子でフレイに視線を向けた。
「神聖の焔って……今国中で噂になってる、あの神聖の焔のことか?」
「ライル、あとで説明するから口を閉じてろ」
不思議そうに首を傾げるライルだったが、ガルディアの言葉によって素直に口を両手で塞ぐ。
そして未だに女を睨みつけているガルディアは、片手に魔力を集中させながら再び口を開いた。
「退くわけにはいかないな。
それよりも、一つ聞きたいことがある。
この周辺に突然魔物が現れたのと、魔力探知を妨害していたのは……全てお前が仕組んだことか?」
そんなガルディアの言動に対し、女は表情を変えないまま淡々と口を開く。
「そうだけど?」
「何故こんなことをした。
魔物を人工的に繁殖させるのは、国内の禁止事項として定められているはずだ」
女が答えるなり、ガルディアはすぐに問いかける。
すると、それに嫌気が差したのか、女は口をへの字に曲げる。
そして、その女から徐々に発せられていく……殺気。
「だからなんなの? そんなのあたしには関係ないじゃん。
あーあ、なんか久々にムカついてきちゃったな~。
…………ねぇ、殺していい?」
その瞬間、女の殺気が一気に跳ね上がった。
それを感じたガルディア、フレイ、リオナの三人はとっさに身構えて戦闘体勢に入る。
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