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そんなフレイ達の様子を見た後に男はゆっくりと背を向け、顔だけを女の方へと向ける。
「行くぞ……」
「はいはい、分かってるわよぅ……。
それじゃ、神聖の焔さん! また会おうねー!」
ポツリと呟いた後、男は木々の枝から枝へと素早く跳躍していく。
男の言葉を聞いた女はつまらなさそうに答えた後、フレイを見ながら嬉しそうに手を振った。
そして間もなくすると、男と同じように木々の枝から枝へと跳躍していく……。
「あいつら逃げやがった!!」
「待てライル、今は放っておけ。
……これからクラウドの居る場所へ迅速に移動する! 皆しっかりとついて来るように!
あとフレイは、今まであったことを移動中に詳しく説明してくれ」
「はい!」
去っていく二人を睨みつけるライルを遮り、ガルディアは一人一人の顔を見ながらそう言った。
それに対してフレイは力強く頷き、ライルもすぐに頷く。
そしてリオナもしっかりと頷くが、その後に横目で気づかれないようずっとフレイを視界に捉えていた。
「……本来とは違う属性を使うゴブリンか。聞いたことがないな」
それから少しして、ガルディア達四人は木々の間を素早く走り抜けていた。
そしてその間にされたフレイの説明を聞き終えたガルディアは、怪訝そうに表情を変えて思考を張り巡らす。
「俺とクラウドも不思議に思ったんです。だから何が起こるか分からないし、一緒に行動しようって言ったんですけど……」
「突然感じた強い魔力に興味を持ち、そのまま一人で探しに行った……か。
全く……あいつは魔物を甘く見過ぎているんだ……」
ガルディアの隣に並んで走っているフレイ。
初めはその二人について走っていたリオナとライルだったが、今では息を切らして少し遅れをとっていた。
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