真実 ~前編~

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「はぁっ……はぁっ……あの二人、どれだけ体力あるんだよっ……!」 「…………」 汗を拭いながら走り、ヘロヘロな状態でガルディアとフレイを見るライル。 そして、そんなライルより前を走っているリオナも同じように汗を拭う。 ……しかしその表情は真剣で、先ほどからフレイだけをジッと見ていた。 (あの時の女……フレイが神聖の焔だって言ってたわよね。 ……とてもじゃないけど信じられないわ。 だって、気が弱くて優柔不断なフレイが……いや、でも……) リオナはフレイのことについて様々な思考を張り巡らせる。 神聖の焔との繋がりがどうしても信じられないようだが、その時頭にフラッシュバックしたのは、模擬戦の時に見せた真剣な表情……そして、使い魔召還の時に見せた真剣な瞳。 「…………」 ……途端にリオナは頬を赤く染める。 しかしすぐに顔をブンブンと左右に振り、混乱している頭の中を一度リセットする。 (と、とにかく実際に魔法使うのを見てみないと……っ! って、そういえば模擬戦の時に一回見たっけ……でもあれは学園側の不注意って聞いてるし……) 「そこの二人、しっかりついて来てるか? もうすぐクラウドの居る場所に着くから警戒を怠るなよ!」 ……その時、前方から聞こえてきたガルディアの声が、リオナの思考を中断させた。 間もなくその言葉の内容を理解したリオナは頷きながら返事をし、その後に続いてライルも返事をする。 (……そうだった、今はクラウドの奴を助けないとね。 あいつなら大丈夫だとは思うけど……) リオナはすぐに思考を切り替え、不安気な様子で前を見る。 ……すると、周りにあった木々は徐々に無くなっていき、やがて景色がすっかりと変わった。
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