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「フレイ様、本当に遅刻してしまいます。いいんですか?」
「………」
女性はそれでも起こそうとするが少年は聞き入れようとしない。
そんな少年を見て、女性は呆れたようにため息をついた。
……が、すぐに何かを思いついたようでイタズラっぽい笑みを浮かべる。
「なるほど……そうですか。
起きないということは、それなりの覚悟はできていると……そう解釈していいんですね?」
「…………」
……少年からの返事はない。
「ふふ……それでは……」
女性は一言そう言うと、少年が掛けている布団の中にもそもそと入っていく……。
「…………ん?」
しばらくして、少年は後ろから何かに抱きしめられている感覚に気づく……。
それは一体何なのか、確かめるために再び寝返りをうった。
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