日常~後編~

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フレイは何も言わず、事の成り行きを見守ることにした。 女性二人の威圧感に、ライルは一瞬怖じ気づく。しかし、やはり今回ばかりは譲れないものがある。 「そ、それにしたってよ! この多さはねぇだろ!? 俺たちの手だけじゃ絶対無理だって!」 「……分かってるわよ。 っていうか、もともと持つつもりだったし」 何を思ったのだろうか。 リオナはチラリとフレイを見た後にため息をつき、置いてあった紙袋を両手に抱え込む。 続いて、それを見たフィリスも、慌てながら持てるだけの紙袋を両手に抱え始めた。 ライルはその様子に拍子抜けするが、すぐに「わ、分かればいいんだよ」と言って自分も荷物を拾っていく。 「……フレイ様」 「? どうしたのティアラ」 三人にならうフレイに話しかけたのは、いつの間にか荷物を抱えているティアラだった。 返事をしてから数秒後のこと。 しまったと思い、フレイはティアラの荷物を受け取っていく。 「ご、ごめん! これも修行のうちだよね?」 「いえ、今日だけは特別に許しましょう。お声をかけたのは別件です」 そう言われ、しばらく固まってから思わず首を傾げた。 そして口を開く。 「別件?」 「はい。この建国祭に、リオナさんをどのように誘ったのかを話してください。 言い漏らしがないよう事細かに」 「それじゃテキトーに店探そうぜー!」 ……ライルを先導に皆が動き出しため、仕方なく歩きながら会話することに。 互いを見失わないようゆっくりとしたペースで進んでいく中、二人は前の三人に聞かれないよう、顔を近づける。
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