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すると。
「ああ?」
雰囲気がガラリと変わる。
男子生徒はフレイに視線を移すと、眉間にシワを寄せて睨みつけ始めた。
しかしフレイは、少し押されながらも苦笑して意見を述べる。
「あはは……えっと、この3人は俺たちと一緒に行動してて……」
「おいコラ! お前誰に向かって口聞いてんだ!?」
その時、取り巻き男子の1人が唐突に怒鳴り散らす。だが、リーダーの男子生徒に押さえられると、すぐに後退した。
「お前、名前は?」
やがて再びフレイの方を見据えると、男子生徒は冷めた瞳で質問をする。
何故この場面で名前を聞かれるのか、全く予想しなかったため一瞬だけ固まるが、フレイはすぐに硬直を解いて口を開いた。
「フレイです……フレイ=オールラント」
「…………」
瞬間。
一体どうしたのか、男子生徒はポカンとした表情を浮かべる。
「……あー、はいはいはい」
と思いきや、次にはニヤニヤ意地汚い笑みを浮かべ、頷きながらも何かを納得。
意味が分からず、フレイは首を傾げていたが……
「フレイっていや、あれだろ? クラス内の力比べか何かで、お友達を殺そうとした奴!」
その言葉を聞き、開いていた口を瞑る。
「結構ウワサになってるぜー?
学園側の不注意だって話だけど、実は性格に難ありで、本当に殺そうとしてたとか! あくまでウワサだけどさぁ!
えっ、実際どうなの? お前ってヤバい奴…」
「口を慎みなさい」
ペラペラ出てくる言葉を遮ると、ほぼ同時。
店内中に悪寒が走り、男子生徒の喉元にナイフの先端が突き付けられた。
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