14242人が本棚に入れています
本棚に追加
/366ページ
「別に隠さなくてもいいじゃないですか。いけない事をしているわけでもないんですよ?
それに……今日はフレイ様にとって特別な日なんですから」
ティアラはフレイを優しい瞳で見つめながらそう言った。
「……うん、それもそうかな。
でも、ちょっとショックだなぁ。ポーカーフェイスを意識してたのに。
こんな簡単に見抜かれるとは……」
フレイは落ち込み気味にそう言うとドアノブに手をかける。
……するとティアラは両手を頬にあて、頬を赤く染める。
「もうっ……落ち込んでいるフレイ様も可愛いです……」
……そんなティアラを見たフレイはもう苦笑するしかなく、そのままゆっくりとドアを開ける。
「……それじゃ、行ってきます」
そして、そう一言言うとドアをくぐり……
……ゆっくりと扉を閉めて行った。
「……いってらっしゃいませ、フレイ様」
……フレイのいなくなった玄関で、ティアラは優しく微笑みながらそう呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!