夏の夜、自宅にて

4/21
前へ
/133ページ
次へ
その瞬間、俺達は龍に向かって走り出し、それぞれの武器で次々に攻撃を仕掛けていく。 顔に槍を突き刺す奴もいれば、ハンマーを胴に叩きつける奴もいた。 俺は龍の左側に回り込み、思い切り前の足を斬る。 続けてもう一度斬り、一旦距離をとる。 その瞬間、龍は自らの体を回転させ尻尾を振り回し、周囲の人間を吹き飛ばしていく。 危ない危ない、もう少し離れるのが遅かったら、俺も直撃していただろう。 今の攻撃で大半の奴が瀕死になったのだろう、「回復おねがいします」とか「HELP」とか、そういう叫び声が響いていた。 その声に混じり、魔術師の声が響いた。 「でっかい魔法使いま~す!時間稼ぎお願い!」 傷ついたやつらの回復とか援護とかしてやれよ! ・・・いや、もう唱え始めたんだし、しょうがない囮になるか。
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加