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(あったかい…)
体に感じる暖かさに白雪は目を覚ました。
(あれ…私確か獣に襲われそうになって…夢だったの…?)
起き上がろうとすると、自分の体が動かない事にふと、見上げると見知らぬ人物の腕の中に収まっているのにようやく気付きいた。
「きっ…きゃぁああああああっ!!」
力の限りに叫びながら、自分がすっぽりと収まっている腕から無理やり抜けだす。
「ななななっんなの?!何っ?!!」
混乱に落ち入りながらも周りを見ると、小さくパチパチ鳴らしながら薪が燃え目の前には薄汚れたマントにくるまっている人物と白雪しかいない。
「んっ…?目覚ましたのか?」
もぞもぞとマントから顔出し起き上がるとその下からは例の如く立派な体が現れた。
「ひっ!!ちょっ、何で裸なの…って私制服はっ?何で着てないの?!!なっなな何!!痴漢!変態!近寄らないでよっ!」
思いつく限りの暴言を吐きつくすと、目の前の男は白雪に何かを投げつけた。パサッと音を立て落ちたのは白雪のセーラー服だった。
「よく騒ぐやつだな…。体が大分冷えてたからな。服も濡れてたし山で体冷やしたままだと危ないからな。悪かったな。」
後ろを向くと、傍に置いてある服を無造作に手にとり着はじめだす。
(体と体で暖めるってこと…?だからってこんな…裸なんか誰にも見した事ないのに…ぅうっ)
羞恥心で顔を真っ赤にしながらも取りあえずはセーラー服に袖を通し、腕に巻かれていた少し血に滲んだ布が目についた。
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