クラノア―落ちた少女―

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「おはよー白雪っ」 学校に付き教室に入ると友人の万里が声をかけてきた。 「おはようっ万里。」 「もー聞いてよ!昨日ね~」 「プッ…アハハ何それ~万里らしいねっ」 「え~もうっ白雪の意地悪!」 「あっ、おはようっ白雪ー」 「おはよう桜~。ねぇ聞いてよ万里ったらまたね…」 「ちょっ白雪~!」 「アハハハハッ」 いつもと変わらなく仲の良い友人達と他愛もない話をし、笑い幸せな日々― (でも…) (なんだろう…あの声が離れない。) 頭から、心から離れない。 白雪は特に暗い性格でもないし、むしろ明るく友達も多い。叔母夫婦に虐げられてるわけでもない。 けれど時々感じる焦燥感。それはあの夢を見てから余計に強くなっていた。
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